短詩文芸である冠句紹介


by kanku_575
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カテゴリ:冠句のテキスト( 6 )

秀句の研究(味わい方)

     追信に    出世を急ぐなと母が

     春の鐘    一番好きな人といる

     あぶら蝉   じりじり迫り来る晩年

     父無口    母の写真を拭いている

     ちらと聞く  二度咲く花のしあわせに

     玩具箱    泣かされていても兄が好き

     れんげ咲く  天女が舞い降りそうな昼

     辻曲がる   また立ち去らぬ母がいし

     花すすき   胸の骨壷カサと鳴る

     桃咲いて   表札嫁の名書き添える

     四方光る   妻の着付けは長くとも

     遠花火    もひとり生めと妻に言う

     迎え傘    伝言板に馬鹿と書く

     雪の除夜   晴れ着の躾キュと抜く

     虫の音に   母の針あと解きながら 


終り... 
     
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by kanku_575 | 2010-06-16 22:35 | 冠句のテキスト
冠句のいのち

   冠句のいのちは叙情詩。
   叙情とは自分の胸の内を述べる詩
   常に新しい見方で物を捉まえる
   昨日の感動は今日は過去

    初心者  ・・・つたなく幼稚でも、いきいきとした感動を
    ベテラン ・・・その奥にある真実に触れ合う努力

   冠句は「ふくみ」の文学である。
   一番大切な言いたい事を言わずにふくむ。
   ドラマを設定したらこの言葉が最高の表現で、他には無いと
   言う言葉を探す ・・・ その言葉は必ずある。

 崎山不二夫(本名 西野信男 三代目)

  独り聴く  鍬磨き終え除夜深々(大阪に句碑)
  紙コップ  高度八千みな孤独
  若葉光   農夫老いても余生なし

豊島明楽(本名 熊田章)養父市養父町居住

  昭和八年入門
  昭和十一年「やまざとの唄」創刊  現在 五百四十号
 昭和五十八年久佐太郎賞受賞
  
  おぼろ月  歩けばふれる白れんげ(養父神社句碑)
  すすき道  人訪わば風なつかしき
  遠い人   枯れゆくものにすべなかり
  突っ走る  身に余るものみんな捨て

   

続く・・・平成18年度 冠句講座テキストⅤ へ
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by kanku_575 | 2010-06-13 17:19 | 冠句のテキスト
冠句の作り方

   冠句は題詠の姿をした創作吟である。

    おぼろ月      ⇔  歩けばふれる  白れんげ
   上五文字(冠題) 一字明ける 中七文字  下五又は座五

  冠題は・・・・・附句(十二文字)の為に課せられた五文字である

  連句の発句を冠題五文字で表し・・・・・附句(七・五)は自分に
                     飛躍して詠う。

 ○ 接続体は俳句である。
  (例) 他人の目さけてひっそり母子住む
      吊り革にぶらさがり今日停年す

      他人の目 一つあやまちつきまとう
      吊り革に 今日停年のわが拳(こぶし)

  冠題は冠題で独立し附句は附句で独立する 

  十二文字(附句)でドラマ化するには一字が大切。
  特に(て・に・を・は)の使い方。

  季語の冠題に季重なりは避けた方が無難

  「る・て・り」等冠題止めの場合の附句
  破調句・字余り・字足らず・音韻破調

  冠題から来るイメージを先ず探す。幅を広く見つめる。

  冠題を説明せずにドラマを飛躍させる。
  時間を置いてから咀嚼(そしゃく)して見る



続く・・・平成18年度 冠句講座テキストⅣへ
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by kanku_575 | 2010-06-09 21:46 | 冠句のテキスト
太田久佐太郎(本名 太田 稠夫 シゲヲ)

   明治二十四年六月二日 神戸市に生る。早稲田大学英文科卒業。
   文丘草太郎の名で小説・戯曲・評論文等を諸雑誌に発表。
   大正二年東京時事新報・更に読売新聞・婦人倶楽部編集長を経て
   昭和四年小林一三首唱の国民座に入り文芸部長として活躍。
   大正十年頃より冠句を研究・自ら「吾楽」を刊行し、昭和二年「文芸塔」創刊する。

  雑俳諧視れていた冠句を、今日の文芸価に導いた功績は、俳壇の子規と並び称される。

  昭和三十年七月一日 六十五才で逝去。京都市左京区二条通りの真浄院にまつる。
  毎年七月第一日曜を久佐太郎忌と設定。

  著書に現代冠句大観、正風冠句新講、堀内雲鼓研究。

久佐太郎の作品

 ほのぼのと 舟世帯もう火を起こし   昭和二年
 
 われ一人  そむけど春は笑顔なる   昭和六年

 懐かしさ  臍の緒とある母の文字   昭和六年

 霊迎え   佛というはみなよきひと

 忘れ傘   また来る謎の春の酔い   昭和二十五年京都句碑

 走馬燈   五十過ぎての早いこと   昭和二十七年京都句碑

 冠翁忌   痩骨鳴らし起たんとす   昭和二十九年

 深山寺   心づくしの句友だち    但馬句碑

早川桜月(二代目)

  久佐太郎没後、文芸塔を自宅におき続刊、主幹となる。
  昭和四十六年舞鶴供楽公園に句碑を建立。

  代表作

   海ひろし  小さな墓が一つある

   山は枯れ  吹き寄せられたような村

   かきつばた 障子細目に人病める

   漁火に   黎明おくる波すずし

   鐘が鳴る  北野のみちは梅月夜

    明治三十五年一月京都西陣に生まれ。
    著書 現代大観
    三月を桜月忌と設定する。



続く...平成18年度 冠句講座テキストⅢへ
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by kanku_575 | 2010-06-01 20:57 | 冠句のテキスト
冠句の始まり

始祖 堀内雲鼓
         元禄時代の徘諧師。1665年生まれ。
         松永貞徳の門下。貞門の逸材(松尾芭蕉と同時代)

 ○ 芭蕉の高い詩精神を最も新しい詩型式に盛る。

 ○ 革命的な徘諧詩
    京都五条・川東・・・松原大和大路付近の愛宕寺のほとりに吹蕭軒(庵)をむすぶ。

 ○ 元禄6年4月11日 五文字附の初興行を行う。(冠句のおこり)
    元禄8年版雲鼓の笠附集「夏木立」と元禄15版雲鼓の笠附集「西国船」に
    記載されている。

 ○ 雲鼓の意図
    俳諧連句の発句が独立した俳句である事と下七五を時空的関連において附句する。
    この作句方法が的中して興行がふえる。
    やがて五文字附・鳥帽子附・笠附・冠り附となる。

 ○ 元禄時代は町民達にとらえられてゆく俳諧・・・・・・・平民文学
    平民文学は現実に即した生活の描写
    従来は月や花に託した表現方法・・・・・・・・・・貴族文学

    (例)うれしさは 乳房にすがる子の力み
       とりついて 蠅も越しけり大井川

 ○ 元禄十五年~宝永二年(二・三年の間)四十種近い刊行
    雲鼓 享保十三年(六十四才)で没す。

     陽の恵み 嬉しからずや夏木立     雲鼓

       京都下京区富小路 上徳寺に昭和十二年句碑建設
                京都の観光地に指定

    享保年間を境にして冠句は、破調句・低調卑俗となり堕落する。

     俳句・・・・・明治中期正岡子規により革新される。
     川柳・・・・・剣花坊により中興。
     冠句・・・・・良き指導者なく大正末期・久佐太郎により中興。
            昭和二年文芸塔創刊

    昭和八年頃の作品
      安らかに わが膝われとなる夕べ
      秋は問う 花剪れば掌に青き蜘蛛
      秋の水  砥石をすべる刃の匂い
      緑濃く  カメレオンこっち振り向く

 久佐太郎によって冠句を大成する。
   ★連句を心とした文芸から・・・・・題詠吟とした集団性に


続く...平成18年度 冠句講座テキストⅡへ

   
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by kanku_575 | 2010-05-31 06:00 | 冠句のテキスト
姫路冠句会のテキストとして「やまざと」の橋本信水先生が平成18年度に少し、手直しをされた教科書を頂きました。このテキストをブログで紹介しても良いかとお尋ねしたところ、良いとの心地よいご返事でしたので、このブログに紹介させて頂きます。
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by kanku_575 | 2010-05-30 21:41 | 冠句のテキスト