短詩文芸である冠句紹介


by kanku_575
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タグ:冠句の仲間 ( 86 ) タグの人気記事

やまざと No.595 七月号作品輯Ⅳ-3

錦里抄   「友訪ね」 酒井夢月選(三才五客)


 友訪ね    一気に時空の壁破る    真琴

 友訪ね    話題の棘をぬく齢     佐津子

 友訪ね    遠い日の夢動き出す    風子


 友訪ね    恋の談義は時効切れ    真弓

 友訪ね    別の消息伝え聞く     早百合

 友訪ね    懐古の記憶遊ばせて    福男

 友訪ね    心満たして帰る幸     よし子

 友訪ね    流れる雲は故郷映す    佐津子

 
 選後感

 天位 懐かしさとよろこびの様子が眼に浮かぶ。

 地位 酸もあまいも知り尽くし、優しさがあふれている。

 人位 皆同じ思いだと思います。

 暑さきびしい折柄、皆様お体を御大切に。


 夢月
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by kanku_575 | 2010-11-11 22:27 |  やまざと誌
やまざと No.595 七月号作品輯Ⅳ-2

錦里抄   「友訪ね」 田中怜子選(三才五客)


 友訪ね    あせらず道を探したい   かよ子

 友訪ね    人生語る酒ありて     美則

 友訪ね    戦後を生きた葦の蘂    恵羊


 友訪ね    一気に時空の壁破る    真琴

 友訪ね    やさしい椅子の心地よく  かよ子

 友訪ね    話題の棘をぬく齢     佐津子

 友訪ね    心満たして帰る幸     よし子

 友訪ね    今見直している自分    萬郷

 
 選後感

 長い人生、困難なことがあれば、だれかに相談したいものです。但し、聞いてもらっても
 結局は自分で行く道を探すことになり、それでも道が開けます。私のことを言ってもらったと
 思い、心して読みました。
 ありがとうございました。

 怜子
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by kanku_575 | 2010-11-10 19:29 |  やまざと誌
やまざと No.595 七月号作品輯Ⅳ-1

錦里抄   「友訪ね」 朝日英子選(三才五客)


 友訪ね    心満たして帰る幸     よし子

 友訪ね    生き生き顔がまぶしくて  さち

 友訪ね    土産は元気と笑い声    優葉


 友訪ね    うつろの瞳哀しかり    咲枝

 友訪ね    話せばほっと癒やされる  和代

 友訪ね    ともかくビールひっさげて 襷子

 友訪ね    明日生く力分かち合う   真琴

 友訪ね    手みやげに足る絆あり   福男

 
 選後感

 うだるような猛暑の中、風鈴だけは涼を誘うようないい音色を出してくれています。
 皆様の貴重な句145句いただきました。納得していただける選が出来たか不安です。
 お許しください。
 まだまだ暑い日が続きそうです。どうぞお元気でこの夏を乗り切って下さい。

 英子
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by kanku_575 | 2010-11-09 21:23 |  やまざと誌
やまざと No.595 七月号作品輯Ⅲ-2

山映抄   「夏布団」 中野千秋選(三才五客)


 夏布団    一人暮らしの楚々として  襷子

 夏布団    夢重ねては朝の風     照代

 夏布団    自然の中で心地よし    さち


 夏布団    大の字包むやさしさが   啓二

 夏布団    背中合わせの日もあれど  風子

 夏布団    潮風しみる浜の宿     福男

 夏布団    独り寝る夜の旅ガラス   襷子

 夏布団    米寿の祝い好み柄     愛子

 
 選後感

 蚊帳と蛍の組み合わせすすきと萩、そいて桔梗のふとんの絵柄。
 昔なつかしい風情が想い出され、又作者のやさしさも感じ、
 静かな気持ちで選をさせていただきました。
 天地人・・・自然の美を感じました。

 千秋
 
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by kanku_575 | 2010-11-08 21:45 |  やまざと誌
やまざと No.595 七月号作品輯Ⅲ-1

山映抄   「夏布団」 栃尾恵羊選(三才五客)


 夏布団    歳重ねても花であれ    慶次

 夏布団    ピシリと糊のきいた姑   佳津子

 夏布団    やさしい心で看取りたい  風子


 夏布団    嬰児栞のごと挟む     虚堂

 夏布団    日本の明日を託す子等   直樹

 夏布団    背中合わせの日もあれど  風子

 夏布団    可愛いあんよが自己主張  早百合

 夏布団    子等の元気に揺れる寺   くにゑ

 
 選後感

 梅雨明けと共に厳しい暑さとなりました。この度は前向きな強い句を
 頂きました。

 天 「歳重ねても花であれ」誰もが思う気持ちを、ずばりと言った秀句です。

 地 「ピシリと糊のきいた姑」これも同じく、力強い句です。

 人 「やさしい心で看取りたい」前句と反面、看取る思いの揺れを感じ、亡き母を忍びます。

 秀句感謝します。

 恵羊
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by kanku_575 | 2010-11-07 19:30 |  やまざと誌
やまざと No.595 七月号作品輯Ⅱ-2

山麗抄   「雲なき日」澤村福男選(三才五客)


 雲なき日   汗に馴染んだ野良着干す  萬郷

 雲なき日   のどかに和牛育てたし   よし子

 雲なき日   嫁ぐ娘は晴れ晴れと    歌子


 雲なき日   飛行機雲に夢を乗せ    真弓

 雲なき日   競って飛ばすシャボン玉  和代

 雲なき日   幼児プールの弾む声    和代

 雲なき日   如露と仲よくなった蜂   虚堂

 雲なき日   空いっぱいに布団干す   真琴

 
 選後感

 天位句 炎天下の農作業ほど辛い仕事はない。「汗に馴染んだ野良着干す」にそれが
     滲み出ている。生活実景を描写して、都市住民の敬愛心を引き出す句です。
 地位句 口蹄疫が広がり数十万の頭の和牛が殺処分されました。悲哀を通り越した
     熱い思いが伝わってくる句です。
 人位句 良縁を得て嫁がれる吾娘の門出を、ほのぼのと詠まれました。
     冠題とマッチした句です。
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by kanku_575 | 2010-11-05 22:32 |  やまざと誌
やまざと No.595 七月号作品輯Ⅱ-1

山麗抄   「雲なき日」秦谷淑子選(三才五客)


 雲なき日   夢の礎積み初める     萬郷

 雲なき日   心の糸が響き合う     和子

 雲なき日   二つの真珠光り初む    好美


 雲なき日   亡き娘の言葉杖となる   風子

 雲なき日   妻の内助で朝光る     慶次

 雲なき日   肩書き一つ丸く閉ず    睦代

 雲なき日   一と筋の糸認められ    すず

 雲なき日   迷い来し道茜さす     福男

 
 選後感

 「雲なき日」は雲がないのだから晴れてはいるが、すかっと爽やか快晴でもない、長かった梅雨が やっと明け猛暑の前のまだ陽射しはやわらかく、こんな日が一・二日・・・俳句と違い冠句の「雲 なき日」は胸中を詠まなくては

 やっとすっきりとまではゆかづとも心澄む・・・三通り見てから選出感をまず書いて、選を始め  る。選者泣かせとはこのことだと自覚する。難解の付け句に苦労する、時間ばかりが過ぎてゆ   く・・・。

 淑子
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by kanku_575 | 2010-11-04 22:07 |  やまざと誌
やまざと No.595 七月号作品輯Ⅰ

芳冠録  橋本信水選(上位10句紹介)

 汗まみれ  前進のみの道とする    厚史

 汗まみれ  鍬折れるまで土を打つ   萬郷

 汗まみれ  日本に悲しい夏がある   虚堂

 郷の母   十薬の香する小袖     くにゑ

 郷の母   香華を常に新鮮に     和代

 汗まみれ  一缶のビール喉に鳴る   襷子

 汗まみれ  十二の文字はじっとせず  ひろ子

 汗まみれ  怠け心は寄せ付けず    佐津子

 郷の母   清き流れの川に生き    美則

 汗まみれ  ペン胼胝無我に撫でている 淑子
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by kanku_575 | 2010-11-04 00:00 |  やまざと誌
やまざと No.597 九月号作品輯(平成22年)

芳冠録  橋本信水選(上位10句紹介)

 地虫鳴く  執念の瞳次期目指す    小百合

 姿消す   どんどん遠くなる昭和   萬郷

 地虫鳴く  人のぬくもりある郷に   栄

 地虫鳴く  人間だけが懲りもせず   ひろ子

 姿消す   この世をすべて天寿せり  裕美

 姿消す   風より軽い骨拾う     夢月

 地虫鳴く  粘り強さで書く句稿    淑子

 姿消す   生きとし生ける業なれば  佐津子

 姿消す   根性の字が読めぬ子等   風子

 地虫鳴く  守り続ける痩せ畑     祐子

文芸塔賞記念

雲も秋  平松直樹選(三才五客)

 雲も秋   終わりが見えぬ道に立つ    優葉

 雲も秋   野良着茜の陽に染まる     風子

 雲も秋   錦はないが母が待つ      怜子

 雲も秋   締め直してる靴の紐      歌子
 雲も秋   画布に朱を足す未来地図    怜子
 雲も秋   故郷恋し祭り笛        初子
 雲も秋   我を呼んでる道祖神      美則 
 雲も秋   妙に気になる先のこと     和子

 選後感

 天位 困難な夢、治らぬ病などに立ち向かう、不断の意を感じます。

 地位 一生懸命生きてきた汗、「ごくろうさま」と声を掛けたい。

 人位 母に元気な姿を見せて安心させたいという、気持ちがすがすがしい。

山麗抄

眼が光る  藤原萬郷選(三才五客)

 眼が光る 父の背中は広かりき    和代
 
 眼が光る 菩薩も夜又も使い分け   夢月
 
 眼が光る 床のダルマに一喝され   好美

 眼が光る 躓いた石なにを指す    すず
 眼が光る 悪女になれぬ星の夜    優葉
 眼が光る 闘志燃やして炎の坩堝   初子
 眼が光る 不意を突かれた妻の槍   怜子
 眼が光る 黒光りした父の顔     とみ子

選後感
 「眼が光る」のとらえ方に、外からのものと自分の内側からと有ると思う。
 仁王門を思わせる句が三・四句有り、是はズバリ前者(外側)のとらえ方。
 後者の目線の佳吟が多かったと思う。

 二句の添削多謝。           萬郷


眼が光る  秋真琴選(三才五客)

 眼が光る 正論邪心を撥ね返す    風子
 
 眼が光る 王手のかかるその一手   小百合
 
 眼が光る 少年の夢一直線      慶次

 眼が光る タイトル狙う挑戦者    雄飛
 眼が光る 背信うずく仁王前     多津子
 眼が光る 譲れぬ一歩父の杭     睦代
 眼が光る さあ、どうなるか一騎打ち すず
 眼が光る いたずら好きな孫が来た  鹿の子

選後感
 難しい選でした。眼が光る、眼が潤む、眼が輝く、この違いは判りますが..潤むでも涙で光るとなれば、又、輝くも、光っているのだから、そのどちらでも光るまで良いのか...。とうとう締切日までなやんで、以上の選になりました。それと私などがしてはいけないと思い乍ら、少し替えてしまいました。作者の方には判って頂けると嬉しいのですが、一度原句と突き合わせてみて下さい。一生懸命やりましたが、つたない選で申し訳ありません。放蕩にご免なさい。
                                      真琴

山映抄

風だより  篠原和子選(三才五客)

 風だより 舵取り直す翁あり     欅子
 
 風だより 器の大きな人となる    和代
 
 風だより 明るいニュースとびこんで 裕美

 風だより 恋のうわさが飛んで来る  さち
 風だより 昔の恋人まだ一人     恒男
 風だより 醜聞拡がる里の葬     祐子
 風だより 気になる人の認知症    咲枝
 風だより 疲れ癒した峠茶屋     美保子

選後感
 太陽のいたずら好きも、お彼岸は覚えていた様です。やっと凌ぎよくなって参りました。
 これからは灯下に親しんで、沢山の冠句を作らねばと、意を強くしています。

 天位句 改造内閣が発足し、これからが期待されますが、地域にも必ず舵取りの上手な
     お年寄りは居ます。
 地位句 郷を離れて住んでいると、故郷のことが気になるものです。好きだった人の
     噂を聞いてほっとして...
 人位句 近頃は、悪いニュースばかりが耳に入ってきますが、明るいニュースはいいですね。

風だより  藤原小百合選(三才五客)

 風だより 山麓の故郷沈むとか    初子
 
 風だより 深い想いが今消える    萬郷
 
 風だより 共に学んだ友忍ぶ     英子

 風だより 器の大きな人となる    和代
 風だより 心揺らした人如何に    千秋
 風だより 上手く不況乗り越えて   真弓
 風だより 故郷に帰す人待ちわびる  好美
 風だより 海を渡りし友は今     美保子

選後感
 
 天 何とも言いようのないむなしさ淋しさ。
 地 ひそかに心の片隅に抱いていた想いを、断ち切る時が来た。
 人 振り返ればいろいろな想い出が錯綜する。

 有りがとうございました。

錦里抄

稔りの夜  田路和代選(三才五客)

 稔りの夜 農を誇りに生きる父    小百合
 
 稔りの夜 轍に重荷降ろす母     多津子
 
 稔りの夜 深き祈りを田の神に    くにゑ

 稔りの夜 豊穣の月揺るぎなく    睦代
 稔りの夜 翻弄されずきた人生    好美
 稔りの夜 女ごころを皿に盛る    英子
 稔りの夜 挫折繋いだ橋いくつ    佐津子
 稔りの夜 初心忘れずきた人生    佐津子

選後評
 農業もなかなか難しい時代です。
高齢による離農者や、耕作面積の制限により荒れた農地の多い中、「稔りの夜」で頑張って
居られる人達の多い事も、再認識出来た私です。
 父を詠まれた句が多いですが、地位の句の、長らく女手で守り抜いた農を、やっと後継者に
引き継がれて...。母への労いの気持ちに込み上げるものが有りました。

稔りの夜  山根風子選(三才五客)

天  稔りの夜 創傷いえし風呂溢る    恵羊
 
地  稔りの夜 初心忘れずきた人生    佐津子
 
人  稔りの夜 どの家も明るき灯を灯し  初子

客止 稔りの夜 耐えればきっと光ある   優葉
客2 稔りの夜 深き祈りを田の神に    くにゑ
客3 稔りの夜 豊饒の月揺るぎなく    睦代
客4 稔りの夜 頭下げたい人が居る    咲枝
客5 稔りの夜 父の笑顔は一級品     かよ子

選後評
日本の美しい原風景の稲田。しみじみと月に虫の音、酒に浸れる秋の夜長。「稔りの秋」120句
いただきました。三才は作者のお顔が思い浮かび、秀句十句は、それぞれの稔りへの感情がよく
伝わってきました。佳に順位はありません。十七句が、まるで連句の様に対句の様に呼応し合い
”やまざと”の大きなドラマが誕生いたしました。
楽しい選をさせて頂き、ありがとうございました。
                               風子

稔りの夜  藤中雄飛選(三才五客)

天  稔りの夜 おんなごころを皿に盛る  英子
 
地  稔りの夜 挫折繋いだ橋いくつ    佐津子
 
人  稔りの夜 祭りの孫を主座に於く   慶次

客止 稔りの夜 労働厭わなぬ父の背な   怜子
客2 稔りの夜 間違いなかった父の轍   佐津子
客3 稔りの夜 父の足跡確と継ぐ     英子
客4 稔りの夜 父の青春旅果てず     真弓
客5 稔りの夜 一合の酒父酔わす     真弓

選後感
殆んどの句が父、酒、収穫の喜びを表現した内容でした。天・地・人は視点のユニークさが
感じられ、特に天位は、奥行きが深く群を抜いています。
日本の農業問題に関する句が少ないのは、少し残念な気がしました。
                                   雄飛

互選「上り坂」 上位十句

四十二点  上り坂 どん底で見た陽の光り    信水
 
三十八点  上り坂 大樹は強く根を張りて    萬郷
 
三十七点  上り坂 躓く石のある覚悟      佐津子

三十四点  上り坂 父の背中を見失わず     とし子
三十三点  上り坂 靴紐しめる老いの意地    かよ子
三十一点  上り坂 息整える喜寿の朝      くにゑ
三十一点  上り坂 軌道に乗せたこの快挙    すず
二十八点  上り坂 夢へ一気に加速する     風子
二十八点  上り坂 決断迫る雲の峰       風子
二十八点  上り坂 後押す妻に応えねば     信水
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by kanku_575 | 2010-10-30 10:00 |  やまざと誌
第二十八回 久佐太郎句碑まつり(欠席投句の部)

「独りごと」  藤原萬郷 選  (三才五客)

独りごと  ゆったり生きたい青葉風  かよ子
独りごと  予定未定の積木ごと    多津子
独りごと  夜の安らぎが訪ずれず   栄春

独りごと  一身上の薔薇抱く     未知
独りごと  花と会話も日課とす    とよ子
独りごと  こぶしの中は何もなく   みゑ子
独りごと  まだまだ生きる野心連れ  怜子
独りごと  音もたてずに虹生まれ   喜美子
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by kanku_575 | 2010-10-20 01:00 |  久佐太郎句碑まつり